『マレットファン』の想い

マレットファンとは
listmark 『マレットファン』ってどんな団体?

tane1_350-260 『マレットファン』は教育支援をおこなうタイ国認定の公益法人(NGO)です。
現場の「おとな」が今、求めるテーマに応じた研修会の実施、格差社会の中で孤立しがちな「おとな」同士の交流の場づくりをする団体です。

2013年1月より想いを同じくする3人(写真、左からムアイ、ギップ、松尾久美)で設立し活動を開始しました。
*2019年よりムアイが卒業し、ギップと松尾の2人体制で活動を継続しています。

団体を設立した理由は「こども」も「おとな」も夢を実現できると思える社会づくりをしたいと思ったからです。
そんな社会の実現のために「こども」にかかわる「おとな」の支援をします。周りの「おとな」が笑顔で過ごしてくれていること以上に「こども」が心を豊かにし、未来に夢を持てる環境はないのではないかと考えたからです。

わたしたちが教育支援NGOで活動してきた10数年の間にタイ国内で子どものためにと必死に孤軍奮闘する各地の先生、保護者の方々に出会ってきました。
目を覆いたくなるような困難な環境の中でもきらきらと輝く子どもの笑顔にも出会い、日本の子どもの環境と比較すると複雑な心持ちにもなりました。そこで気づいたのは、子どもたちのきらきらの発信源は周りのおとなではないかということです。
いくら困難な生活環境の中でも、周りのおとなが自分を含む周りの人のために必死に生きていることを感じ、自分もおとなに貢献できていると感じている時に、子どもは輝くのではないか、と思わざるを得なかったのです。さらにその逆もまた然りではないだろうかと。

保育・幼児教育に携わる職業への社会的認知が低いタイにおいて、自身の役割に誇りを持ちづらい環境があります。
そんな「おとな」たちを物心両面でサポートしたいのです。日々成長する「こども」とかかわることの本来の喜びや気づきを共有できる場、学びのニーズを満たす拠り所をつくり、自身の役割に自信や誇りを持ってもらうサポートです。
 
listmark 『マレットファン』という名前の意味
demae6_350-260 タイ語で、『マレット』は”種(たね)”、『ファン』は”夢”。『マレットファン』は「夢のたね」という意味です。
「こども」も「おとな」も、自分の夢を実現できると思える社会を創りたい、これがわたしたちの願いです。
わたしたち一人ひとりが、自分の夢を実現できると信じるためには「自分への誇り」が必要です。

誇りが、その人にとっての『夢のたね』です。
こんな 『夢のたね』をもつ人が増えると、社会全体にとっての『夢のたね』が増えます。

『マレットファン』は、タイ国内の保育園、学校、地域、家庭といった、いろいろな現場で、『こども』と一生懸命にかかわる『おとな』に「教える」のでなく「寄り添う」立場として、子どもの育ちを見守るということの大切さと喜びを伝えていきます。そうした視点を変えた関わり方をしてもらうことで、『夢のたね』を増やしていくことが、わたしたちの使命です。

「自分を好きになる」「自分に誇りをもつ」ことが大事なのは言うまでもないことです。
しかし、 自分を本当に好きになり、誇りをもつということは、誰しも一人でできることではありません。
他者との関わりを通して初めて自分の存在を意識し、自分の存在を受け入れる他者からのフィードバックにより、自分自身のイメージ(自己概念)が育っていくのです。
夢を持つための「たね(種)」である自分への誇りを育てるような教育環境をつくっていくことが、社会を変える『マレットファン(夢のたね)』になると信じ、微力ながら邁進していきます。

  listmark ロゴに込めた想い・・・

logo1_350-260 「優しい感じ」、「しなやかに伸びていくところを想像させる」、「かわいい」など、多くの方から、すてきな感想をいただいている『マレットファン』のロゴ。 ロゴに託した想いと製作の経緯の説明をさせていただきます。

たねから伸びた葉っぱのグラデーションが、ぐんぐんと伸びていく成長の継続性を、勢いよく枠から飛び出す姿が、従来の発想や枠組みからの飛躍を表しています。

デザインは『minao』さんというデザイナーさんによるもの。 『マレットファン』のホームページの管理運営を担当してくださっている『織り人』さんの紹介で、ロゴ製作を引き受けてくださったのです。HP内の地図のデザインもしてくださいました。

タイ語で夢のたねを意味する『マレットファン』。
研修会や活動を通して、こどもたち、こどもにかかわるおとなたちの心に、成長や発展のためのきっかけとなる『夢のたね』を蒔くのが、『マレットファン』の使命です。その趣旨を汲み取っていただき、スタッフはもちろん、理事など関係者からの意見も反映させながら、イメージにぴったりのロゴが誕生しました。
このロゴに、私たちの理想が反映され、目指す方向にいつも導いてくれているような気さえする、今では、そんな大切な仲間です。 『マレットファン』を応援してくださる皆さんにも、気に入っていただけるとうれしいです。

  listmark タイ国認可公益法人って?

koueki1_350-260
2013年3月より、タイ内務省へ公益財団法人としての認可登録を申請しておりましたが、 その年の10月4日、無事に認可を受けることができました。
タイにおいては、NGO・NPOなど、いわゆる第3セクターの活動が盛んです。
それらの主体となるのが3,600団体(2013年現在)を超える公益法人。その中の600団体が公益財団法人(タイ語でムラニティ)であり、 公益法人の中でも、公益性、安定性の面で、もっとも高い認知度を持っています。
このため、『マレットファン』としては、使命を果たしていく上で必要と考え、 団体としての活動を開始した当初から、手続きの準備を進めてまいりました。

認可が下りる前日、担当官よりの突然のお電話で、10月4日付けでの登録完了とのお知らせをいただき、認可には、いくつかの条件(公益性を確保するための組織形態が整っているかどうか、 一定の活動実績があるかなど)が求められるため、年内の登録は難しいのではと考えていましたので、 跳びあがるほど驚き、感激しました。
koueki2_260-200 その後、7日には早速、登録証書のコピーをいただき(原本はさらに数週間後に管轄の区より授与)、喜び勇んで、スタッフ3人で記念撮影をしました。

2013年1月2日より、3人で活動を開始した『マレットファン』ですが、多くの方からのご声援、ご協力をいただいたからこそ、このように早い認可を いただけたと思っております。ご支援ご協力をいただきましたみなさまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
この肩書きに恥じないような活動を続けていけるよう、さらに精進していきたいと思います。 今後とも、みなさまの応援をよろしくお願いいたします。

listmark 『マレットファン』の始まりの場所

office1_350-250 現在の事務所はバンコク・ドゥシット区に位置していますが、2013年に活動を始めたのは、また別の場所でした。
『マレットファン』の始まりの場所は、都内の一等地シーロム区の一軒家の一室でした。

社会貢献に関心の高いウィタワット氏のご厚意で、無料で使わせていたのです。
3階建てのお宅の2階、今は亡き奥さまが書斎として使っていらしたお部屋でした。
ウィタワット氏はチュラロンコーン大学政経学部の元教授で、 現在は東北タイの故郷でゆっくりと暮らしていらっしゃいます。
多くのNGOへ資金および情報の提供をされてきた社会貢献の活動家でもあります。

わたしたちが、『マレットファン』設立にあたり、事務所を探していた折、 ご友人から耳にされたウィタワット氏が声をおかけくださったのです。
相当な緊張と覚悟で臨んだ初めての面談。
わたしたちが、団体の趣旨を30分ほどご説明するのを、 静かに見守った後、快諾をいただいた時の感動は忘れられません。

office2_340-260
『あなたたちのしたいことはわかりました。タイ社会にとって、素晴らしいことだと思います。
どうやら私ができることで、あなたたちが一番必要としていることを満たせるようですね。 好きなように使ってください。』

ちょうど、予算に見合う物件を探しあぐねていたところだっただけに、この言葉を聞いた瞬間、 3人とも一気に舞い上がってしまったのも懐かしく思い出します。

このように、あたたかい善意と身に余る期待をいただいたおかげで、『マレットファン』は活動を開始することができました。
わたしたちが、どれだけ長く活動を続けられのかわかりませんし、今後、また事務所が変わることがあるかもしれません。
しかし、始まりの場所は、今後もわたしたちにとっての心の支えであり、団体にとっての生まれ故郷です。

設立の頃、強い決意と大きな不安がありました。
それをしっかり受けとめ支えていただいた時の震えるような感激、そんな自分たちの始まりを忘れないための大事な場所なのです。

『マレットファン』はたくさんの方々に支えられています。
応援メッセージはこちら